枕崎駅(2011-05)



鹿児島県 枕崎市にあるJR九州 指宿枕崎線の終着駅です。
単式ホーム1面1線の無人駅です。

この駅は2003年まで日本最南端の発着駅でした。
2003年に沖縄都市モノレールが開業し鉄道としての最南端では無くなりましたが、
鉄軌道、JRとしては今でも最南端になっています。
ホーム端に「JR日本最南端 始発・終着駅」と書かれた看板が立っています。

諸事情により2006年に現在の待合室もない簡素な駅になりました。
元々はさらに100m先にあり立派な駅舎もありましたが、現在は解体され跡地はスーパーになっています。
駅の真正面にドラックストアがあるので、駅への入口がすごく狭く分かりにくくなっています。(まさに路地!?)
入口に看板が立っていますが、それが無ければ駅を見つけるのは難しいかと・・・


何故そのような事になったかというと・・・
この駅は鉄道省(のちの国鉄)では無く、南薩鉄道(現在の鹿児島交通)という鉄道会社が1931年に建設しました。
当時の南薩鉄道は省線 鹿児島本線 伊集院駅から薩摩半島の西側を通り枕崎に至るルートでした。
(1964年に経営難から別のバス会社と合併をし鹿児島交通 枕崎線(南薩線)となりました。)

その後、1963年に国鉄 指宿枕崎線の延伸に伴い共用駅(国鉄が借用)となりましたが、
1984年に鹿児島交通線が廃線になり国鉄の単独駅になりました。
その際、駅やその周辺の所有権が国鉄に売却されず、鹿児島交通が保有し続けた為、
鉄道路線は国鉄で、駅舎その他付帯設備は鹿児島交通というちぐはぐな駅となってしまいました。

そのままJRになっても借用を続け、2006年に本題の駅移転になります。
経緯は複雑ですが結果はとても簡単で、鹿児島交通が一帯の所有権をスーパーの会社に売却した為、
駅が無くなったJRが自社用地側に駅を建設し、地方によくある無人駅仕様の簡素な駅になってしまったのです。

枕崎市はJR最南端発着駅として観光PRに使っていますが、お世辞にもあの扱いではちょっと・・・
でしたが、現在駅舎建設を前向きに検討して寄付も受付け始めたようです。
興味のある方は是非どうぞ。



行き方ですが、枕崎市内の中心部にあるタイヨ―というスーパーの看板を目印にするといいです。
駐車場横に灯台の形をしたモニュメントのあるロータリーと観光案内所があります。
その奥に緑色の外壁のドラックストアがあるので、その建物裏に駅入口があります。
ちなみに旧駅舎跡地は、県道からモニュメントを正面に見たスーパー駐車場付近です。
(2012年6月現在、Yahooロコの航空写真で旧駅を見る事が出来ます)




ホームへの入口。
改札も何もない簡易駅。



ホーム端から鹿児島方面。
後退して無理矢理 駅にした為、終着駅によくある側線などが何もありません。



一日6本しか走っていないので長い時間折り返し待ちをしています。



緑色の建物がドラックストアです。
ぶった切った感があります。
JR九州お得意?の存在感のあるでっかい車止標識もあります。



車止標識。
日本の鉄軌道で南の一番端っこです。
北海道の稚内からここまでレールが繋がっていると思うと鉄道の凄さを感じます。



旧駅舎の写真を使った看板。



枕木を再利用したちょっとした花壇があります。



待合用のベンチは通路上に・・・。



車止標識の横から。
よく出てくる構図です。



駅入り口にある看板。
この看板がどこにあるかというと・・・



建物同士の間に・・・
路地の様になっている通路の奥に駅があります。
この場所に駅があるのを知らなければ、たどり着く事は出来ないかと思います。



駅舎だった所から県道を向いてです。
小さな建物は観光案内所です。
旧駅舎が解体されて数年後に出来たそうです。



旧枕崎駅があった場所。
ホームが左から建物に向かって伸びていたそうです。
痕跡は何も残っていませんでした。


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